顧問税理士を変更するタイミングはいつがよい?おもな変更理由やメリット・デメリットなどをご紹介

顧問税理士を変更するタイミングはいつがよい?おもな変更理由やメリット・デメリットなどをご紹介

顧問税理士と契約している場合でも、期待した成果が上がらず、困っている企業は多いでしょう。そのようなときには、新しい顧問税理士に変更する必要があります。

しかし、長年付き合ってきた顧問税理士との契約を解消するのはデメリットもあるため、なかなか実行に移せない経営者も多いと思います。そのため、変更するメリット・デメリット、注意点を把握したうえで、ベストなタイミングで変更することが大切です。

ここでは、経営者が顧問税理士を変更するベストなタイミングやおもな変更理由、メリッ・デメリット、変更する流れ、注意点などをご紹介します。

顧問税理士を変えた理由5選

何らかの理由によって、顧問税理士を変えたことがある企業は多いでしょう。ここでは顧問税理士を変えた理由を5つご紹介します。

1.対応が悪い・遅い

企業が顧問税理を変える理由の1つに、対応の悪さや遅さが挙げられます。具体的な事例は、以下のとおりです。

・所長税理士の訪問がまったくないため、込み入った相談ができない

・顧問料を毎月支払っているにもかかわらず、担当者がほとんど顔を出さない

・担当者がすぐに変わってしまうため信頼できない

・メールや電話連絡の対応が遅い、あるいは電話に出ない

・税理士の態度が高圧的で話しにくい

このような対応を行う税理士事務所は、スムーズに業務を依頼できないため、変えることを検討すべきでしょう。

2.サービスの質が低い

顧問税理士には、記帳チェック、税務申告、記帳代行、節税対策、経営相談など、さまざまな実務があります。しかし、依頼した業務が適切に実施できていない税理士も存在することも残念ながら事実です。

期待した成果を出してもらえない場合は、顧問税理士を変更することも致し方ないでしょう。

3.税理士のニーズが変わった

企業が抱える問題やニーズは時代とともに変化していくため、それに合わせて顧問税理士の役割やスキルも変化していく必要があります。例えば、企業がグローバル化するにつれ、国際税務や国際会計に関する知識や経験が求められるようになったなどのケースが考えられるでしょう。

また、デジタル化が進む現代では、IT技術やデータ分析能力などのスキルも必要とされるようになっています。そのため、企業は自社のニーズに合わせたスキルを持つ税理士を選ぶことが重要です。

4.税理士事務所側の体制が変わった

税理士事務所側の体制変更も、企業が顧問税理を変える理由の1つです。代表税理士の死去などにより、事務所の方針変更があり、顧問税理士やサービス内容が変更される場合があります。

その結果、人員不足で自社の業務に十分な対応ができなくなる可能性はあるでしょう。また、自社が求めるサービスを提供できなくなることもあります。

5.顧問料が高い

顧問料が高いと感じる場合も、企業が顧問税理を変える理由となりえます。顧問料は、税理士の専門性や経験、業務内容によって異なるため、場合によっては市場の相場よりも高額になることもあるでしょう。

また、顧問料を下げるためには、顧問税理士との契約内容を再検討することも重要です。しかし交渉の結果、納得ができなかった場合は、変更を視野に入れる必要があります。

顧問税理士を変更するベストなタイミング

結論から言えば、顧問税理士を変更するベストなタイミングはありません。税理士を変えたいと思う内容はさまざまですが、変更したいと思うタイミングで変更するのがベストです。

中には、決算まで同じ税理士に依頼して、来期から新たな税理士に依頼するという考えの経営者もいますが、決算から新たな税理士に依頼したほうが、会社の全体像をつかみやすいでしょう。また、引継ぎも前期申告書や元帳があれば、まったく支障はありません。

一方、税理士変更のタイミングでおすすめできないのは、税務調査期間中です。なぜならば、税務調査に関する処理を前任の税理士が行っているため、後任の税理士がすべての内容を把握するのが困難なためです。

したがって、顧問税理士を変更したい場合は、税務調査が終わったタイミングのほうがよいでしょう。

顧問税理士を変更するメリット

顧問税理士を変更することによって課題解決につながれば、企業側はメリットを得られます。ここでは、おもなメリットをご紹介します。

依頼業務の不安を解消できる

顧問税理士との相性が合わない場合は「業務をこのまま任せてもよいのか……」と、不安を感じることはあるでしょう。新しい税理士に変更することで良好な関係性を築くことができれば、現状抱えている不安を解消できる可能性があります。

税理士報酬の負担を軽減できる

顧問税理士の報酬が高い場合、新しい税理士に変更することで、報酬の負担を軽減できる場合があります。現在契約している顧問税理士の報酬が高いと感じる場合には、いくつかの事務所に相見積もりをとってみることで比較してみるのがおすすめです。

新しい視点のアドバイスが得られる可能性がある

新しい税理士は、これまでになかった視点のアドバイスやサポートを提供してくれることがあります。そのため、これまで解決できなかった課題を相談できたり、経営の改善につながったりする可能性がある点はメリットだといえるでしょう。

顧問税理士を変更するデメリット

顧問税理士を変更することによって、デメリットが発生する場合もあります。ここでは、具体的にどのようなデメリットの発生が考えられるのかを解説します。

会計データなどの引継ぎに手間がかかる

顧問税理士を交代する際、現在の顧問税理士から後任の税理士へ各種税務資料(申告書、総勘定元帳、年末書類、契約書など)の引継ぎが必要です。また、引継ぎは税理士同士ではなく、企業側が主導となり実施する必要があります。

したがって、現在の顧問税理士から税務関連書類を回収し、後任の税理士へ提供する作業の手間が発生する点はデメリットです。現在の顧問税理士との関係がスムーズでなかった場合、税務書類の回収が困難になる可能性もあるでしょう。

自社に関する深い知見を持つ人材が不在になる

顧問税理士は経理や申告以外にも、企業に関するさまざまな問題について相談されることが一般的です。そのため、契約期間が長期間になるほど、顧問税理士が自社のさまざまな情報が蓄積される自社の課題について何でも相談できる存在は、経営者にとって貴重だといえます。

したがって、顧問税理士を交代すると、一時的に企業の内部情報に詳しい専門家が不在となるリスクが生じることはデメリットです。

新しい税理士を探す手間が発生する

すでに後続の税理士が見つかっている場合は問題ありませんが、通常、顧問税理士を変更する際には新しい税理士を探す必要があります。自社のニーズを満たす税理士を見つけるためには多くの手間がかかることや、なかなか見つからないことも多く、現在の顧問契約を続けざるを得ない企業も散見されます。

顧問税理士を変更する流れと必要な費用

顧問税理士を変更する際の大まかな流れは、以下のとおりです。

・顧問税理士を変更するタイミングを決める

・新しい顧問税理士を探す

・現在の顧問税理士に契約解除の意志を伝える

・現在の顧問税理士から資料・データを回収する

・後任の顧問税理士と契約し、資料・データを引き渡す

顧問税理士の変更にかかる費用は、月額2万からが相場といわれています。ただし、顧問税理士変更に伴う費用は、事業規模や業種、顧問税理士の交渉力などによって異なるため注意が必要です。

顧問税理を変更するときの注意点は3つ

顧問税理士を変更する場合には、以下3つの点に注意しなくてはいけません。

・現在の顧問税理士との契約内容を再確認する

・後任の顧問税理士を探しておく

・契約終了を伝える際はカドが立たないよう配慮する

ここでは、各注意点の内容を確認しておきましょう。

注意点1.現在の顧問税理士との契約内容を再確認する

顧問税理士を変更する際には、契約解除条項が定められていないか、事前に確認することが必要です。解約金や契約期間などの縛りがないかを確認しておかないと、余計なコストが発生する可能性はあります。

注意点2.後任の顧問税理士を探しておく

顧問税理士を変更する場合は、現在の顧問税理士と後任の顧問税理士との引継ぎ期間は、極力短くする必要があります。引継ぎが長くなると、コストを二重に支払う期間も長くなるためです。そのためには、後任の顧問税理士を決めたうえで、引継ぎの調整を行うことが大切です。

注意点3.契約終了を伝える際はカドが立たないよう配慮する

現在の顧問税理士との契約を解除するためには、率直に解約する旨を伝えればよいです。ただし、トラブルは発生すると引継ぎがうまくいかなかったり、長期化したりする可能性があります。

また、後任の税理士に引き継ぐため、預けている社内資料やデータを返してもらわなくてはいけません。したがって、解約を伝える際は、カドが立たないよう配慮する必要もあります。

自社の課題解決につながる顧問税理士を探すことが先決

顧問税理士を変更するベストなタイミングは、変えたいと思ったときです。ただし、顧問税理士を変更する場合には、デメリットも発生します。そのため、自社の課題解決につながる顧問税理士を探すことが先決です。

新たな顧問税理士を探す際には、税理士紹介ドットコムの活用をおすすめします。手数料なども一切不要で、北は北海道から南は沖縄まで、全国ご希望のエリアで税理士をご紹介することが可能です。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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この記事の著者

ラチーコ

大手会計ソフトメーカーの記事執筆、原稿ディレクション業務を担当しています。

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