飲食業に強い税理士とは?依頼するメリットと選択時のポイントを紹介

飲食業

新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)によって、もっとも大きなダメージを被った業種のひとつが飲食業です。過去の常識が通用しなくなったことで、飲食業の経営者には柔軟な対応が求められています。

また、これまではコロナ関連の補助金などが活用できましたが、今後はなくなっていくことが予想されるため、節税や資金調達の重要度が高まっている状況といえるでしょう。そこでぜひ有効活用してもらいたいのが税理士です。特に飲食業に強い税理士であれば、節税や資金調達はもちろん、経営のアドバイスなども受けられるでしょう。

今回は、飲食業に強い税理士に依頼するメリットと選択時のポイントを解説します。

飲食業に強い税理士に依頼する5つのメリット

飲食店のスタッフ

飲食業に強い税理士に依頼することで得られる、おもなメリットを5つ紹介します。それぞれの内容について確認しておきましょう。

1.資金調達のアドバイスが得られる

飲食業に強い税理士に依頼することで、資金調達のアドバイスが得られる点がメリットです。開店時には多額の資金が必要になりますが、はじめての場合は経営の経験や過去の実績がないため、金融機関との交渉が難航する可能性があります。

しかし、税理士にサポートしてもらい、金融機関に将来性などをうまくアピールできれば、融資を得やすくなるでしょう。また、コロナなど不測の事態に対応する際にも、資金繰りが重要になるので、普段から税理士にアドバイスをもらいながら盤石な資金調達プランを立てておくことが大切です。

2.節税のアドバイスが得られる

節税のアドバイスが得られる点も、飲食業に強い税理士に依頼するメリットでしょう。経費化できるものの内訳を把握しておくことで効率よく節税できるため、税理士と相談して支払わなくてもよい税金を払わないようにすることが大切です。

新規出店した場合、1年目の決算は赤字になるケースが多く、翌年の収益と相殺できるため、節税につなげることが可能です。また、申告漏れなどが発生すると、追徴課税が発生し収益に悪影響を与える可能性があります。

会計ソフトなどを活用することで、帳簿の記入や仕訳などを実施できますが、こまかな節税のアドバイスは受けられないので、やはり税理士に依頼してアドバイスを受けるのが得策です。

3.経理業務の効率化や丸投げができる

税理士に依頼することで、経理業務効率化のアドバイスが得られるだけでなく、日々の記帳や仕訳、確定申告などの手続きを丸投げすることもできます。

オーナーが飲食店の経営に集中していると、キャッシュフローや収益性の悪化などに気がつきにくくなる点が課題です。しかし、税理士に依頼することで、早めにリスクヘッジを行えるようになり、店舗運営を安定させやすくなるでしょう。

また、飲食業の経営では、サービスの向上や新メニューの開発など、やることが盛り沢山なので、日々の経理業務がどうしても後回しになりがちです。税理士に日々の経理業務を丸投げしておけば、飲食店の経営に集中できるようになります。

4.多店舗展開に関するアドバイスが得られる

多店舗経営をする飲食店のオーナー様は、新規出店の際、資金調達が必要になるため相応のリスクを負わなければいけません。そのため、出店時の損出や出店後の収益シミュレーションを綿密に行っておく必要があります。

蓋然性の高い事業計画が立てられない場合は、資金調達に失敗したり、事業に失敗したりする可能性が高くなるため、飲食業に強い税理士にサポートが不可欠です。また、調達した資金の返済計画や店舗ごとの採算管理体制の構築も必要なので、税理士に相談するシーンは多いでしょう。

5.税務調査の対策ができる

税務調査が入ったときの対策や、立ち合いをお願いできる点も、飲食店に強い税理士に依頼する大きなメリットです。特に一定期間、黒字経営が続く飲食店には、税務調査が入る可能性が高いでしょう。

税務調査の際、申告漏れなどを指摘されると追徴課税が発生し、収益に悪影響を与えます。また、税務署の担当者に対して反論できない場合も同様です。飲食業に強い税理士であれば、税務署の担当者と対等に話ができるため、支払う必要がない税金まで支払うといった事態を回避できるでしょう。

飲食業に強い税理士を探す6つのポイント

飲食店のスタッフ

飲食店に強い税理士を探す場合は、以下6つのポイントに留意しましょう。それぞれのポイントについて解説します。

1.説明が分かりやすいこと

飲食店のオーナー様の中には税金や経理面の知識が乏しい方も多いので、わかりやすい言葉で説明してくれる税理士に依頼すると安心でしょう。オーナー様も経営者としていずれは数字に強くなる必要があるため、納得できる説明をしてもらうことで、少しずつ理解度を上げていくことが理想です。

図表などを活用し、視覚的にわかりやすい表現をしてくれる税理士に依頼すると安心でしょう。一方で、専門用語ばかり使って、自分のペースで話す税理士は避けたほうが無難です。

2.飲食業界の知見が豊富なこと

飲食業界の知見が豊富なことは必須ポイントです。例えば、まかないの会計処理を適切に行わないと追徴課税が発生する可能性がありますが、飲食業界の知見が豊富であれば、業界特有のルールに則った形で節税対策を最適化してもらいやすいでしょう。

ホームページなどで、飲食業を営む企業と顧問契約した実績が豊富か事前に確認しておくと安心です。

3.記帳代行などの経理業務を丸投げできること

飲食店の経営に集中し、事業を軌道に乗せるためには、記帳代行などの経理業務を丸投げできる税理士であることが好ましいでしょう。ただし、事務所によっては、経理業務の丸投げに対応していないケースもあるので、事前に対応可否を確認しておくことが大切です。

コストは多く必要ですが、経営に集中できる時間を捻出することは非常に重要なので、前向きに検討するべきでしょう。なお、税理士への丸投げについては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。

税理士に丸投げするのが絶対お得!記帳代行から税理士に依頼

4.資金調達に強いこと

開店時や多店舗展開を行う際には、多額の資金調達が必要です。そのため、資金調達に強い税理士に依頼することで、資金調達がスムーズに進められる可能性が高くなるでしょう。

したがって、ホームページや無料相談時に、飲食店での資金調達実績の有無を確認しておくと安心です。

5.月次決算を組んでくれること

飲食店のオーナー様は、月次の収支を把握しておくことが重要です。ぐるなび・食べログなどポータルサイトへの掲載費や広告宣伝費、人件費、食材の仕入れや店舗の光熱費といった収支の状況を細かく把握しておかなければ、経営を最適化できません。

月次決算を行ってくれる税理士に依頼できれば、常に経営状態を把握できるため安心でしょう。特に初めて飲食店を出店するオーナー様は、税理士からのアドバイスも受けやすくなるのでおすすめです。

6.飲食業の税務調査に立ち会った経験があること

飲食業を営む企業には、税務調査が入ることが多いので、過去に税務調査対策や立ち合いをした経験がある税理士に依頼すると安心でしょう。いつ税務調査が入っても大丈夫なように、適正な経理、会計処理ができる体制を構築できるサポートが行えることが大切です。

また、税務調査に立ち会う際には、税務署の担当者と交渉し、税額交渉ができるスキルがあることが望ましいでしょう。税務調査に関しては、以下の記事も参考にしてみてください。

税務調査とは?調査内容や来る確率などを紹介

飲食業に強い税理士に依頼してアフターコロナを乗り切ろう

飲食店のスタッフ

コロナによって大きな影響を受けた飲食業ですが、そろそろ元の状態へ戻りつつあります。しかし、物価の上昇による景気の悪化やコロナ関連の補助金・助成金が打ち切りになるなど、まだまだ飲食業界は余談を許さない状況だといえるでしょう。

そのため、飲食業に強い税理士にサポートしてもらいながら、アフターコロナを乗り切っていくことをおすすめします。なお、飲食業に強い税理士を探す際には、税理士紹介ドットコムをご活用ください。

以下のリンクから適切な税理士のご紹介を無料で行なっていますので、ぜひご利用ください。

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この記事の監修者

税理士: 住田靖昭

サンシャイン税理士法人
http://www.sunshine-tax.or.jp/
代表社員経歴
代表税理士:住田靖昭(すみだやすあき)
昭和50年生まれ。広島県の農家に生まれる。
大学卒業後、地元広島銀行入行。融資業務を経験。
一般の会計事務所で10年超勤務後、相続専門のランドマーク税理士法人で約8年勤務。相続問題や不動産経営に関する相談対応、確定申告、相続税申告の実務経験多数。生前対策から土地評価まで、早期のうちから対策を打つことがいかに効果的かを解説。所得税、相続税対策の仕組みをわかりやすく説明する講義を得意としている。

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