確定申告を税理士へ依頼できる?メリットや注意点、費用相場などをご紹介

確定申告 税理士へ依頼

個人事業主の場合、毎年の確定申告の手続きが、なかなかの重労働だというケースは少ないありません。普段からお金の流れを把握し、細かく記帳する必要もあるため、年間を通じて工数が発生します。そのため、税理士に確定申告を依頼する方も多いです。ここでは、確定申告を税理士へ依頼できるのかどうか、メリットや注意点、費用相場なども踏まえご紹介します。

税理士に確定申告を依頼できる?

税理士に確定申告を依頼することは可能です。特に個人事業主の場合、自らが手続きを行うケースも多いため、コア業務に集中するため依頼するケースが増えています。

税理士に依頼することで、確定申告の手間を省き、正確に申告することが可能です。また、複雑な税務処理や節税対策が必要な場合にも、税理士の専門知識が役立つでしょう。

税理士と会計士の違い

税理士は、おもに税務に関する業務を行う職種です。確定申告の代行や税務相談、税務調査の立会いなどがおもな業務だといえます。

一方、会計士は、企業の財務諸表の監査や会計業務を専門としている職種です。公認会計士は、企業の財務状況を正確に把握し、適正な会計処理が行われているかを確認する役割を担います。

どちらも重要な役割を果たしますが、税務に関する具体的なサポートが必要な場合は税理士、企業の財務監査や会計に関するサポートが必要な場合は会計士に依頼するのが一般的です。

確定申告を怠った際に発生するリスク

確定申告を期日内に実施しなかった場合、いくつかのリスクが発生するため注意が必要です。ここでは、確定申告を怠った際に発生するおもなリスクをご紹介します。

無申告加算税を支払う必要がある

確定申告をしなかった場合、無申告加算税が課されます。納税額が50万円以下の場合は15%、50万円以上の場合は20%の加算税が発生するため注意が必要です。税務署が申告を怠ったことに対するペナルティとして課すもので、納税者にとって大きな負担となります。

延滞税を支払う必要がある

確定申告の納税期限を過ぎると、延滞税が発生します。延滞税は日数に応じて計算され、最高で14.6%に達することがあるため注意しなくてはなりません。これは、納税が遅れたことに対する利息のようなもので、時間が経つほど負担が増します。

税務署からのチェックが厳しくなる

確定申告を怠ると、税務署からの監視が厳しくなる可能性が高いです。翌年以降も書類のチェックが厳しくなり、税務調査が入る可能性が高まります。過去の申告内容も再調査されるリスクが増し、さらなるペナルティが課される可能性があります。

信用が低下する

住宅ローンの申請や賃貸契約、保育園の入園手続きなどで収入証明が必要な場合、確定申告をしていないと証明ができず、不利になることがあります。信用が低下し、金融機関や他の機関からの信頼を失う可能性があるでしょう。

国民健康保険料の減額が受けられない

所得に応じて国民健康保険料が減額される場合がありますが、確定申告をしていないと減額が受けられません。本来受けられるはずの保険料の減額が適用されず、結果的に高額な保険料を支払うことになります。

税理士に確定申告を依頼する5つのメリット

税理士に確定申告を依頼するメリットは、以下のとおりです。

・時間の節約
・正確な申告
・節税の可能性
・税務調査のリスク軽減
・信頼性の向上

ここからは、それぞれの内容を解説します。

1.時間の節約

確定申告は、収支報告や経費計算、控除の計算など多くの手続きが必要です。これらの作業は非常に時間がかかり、特に事業を運営している方にとっては大きな負担となります。税理士に依頼することで、これらの時間を大幅に節約でき、その分を事業の運営や他の重要な業務に集中できることはメリットです。さらに、税理士が手続きを代行することで、申告のミスや漏れを防ぐことができ、安心して任せられます。

2.正確な申告

税理士は税法に精通しており、法律の変更や最新の税制に基づいた正確な申告が可能です。税法は頻繁に改正されるため、一般の方がすべてを把握するのは難しいですが、税理士は常に最新の情報を把握しています。誤申告や見落としを防ぎ、ペナルティを避けることが可能です。また、税理士が申告書を作成することで、税務署からの信頼度も高まり、スムーズな手続きが期待できるでしょう。

3.節税の可能性

税理士は節税対策に長けており、合法的に税金を抑える方法を提案してくれることもメリットです。税法に詳しい専門家に依頼することで、本人では見逃してしまうような控除や免税制度を活用できる場合もあります。例えば、特定の経費をどのように計上するか、どの控除を適用するかなど、税理士のアドバイスを受けることで、節税効果を最大限に引き出せるでしょう。

4.税務調査のリスク軽減

税理士が確定申告に関与している場合、税務調査が入る確率が低くなるという統計もあります。税理士が申告書を作成し、署名をしている場合、税務署はその申告書を信頼しやすくなるためです。もし税務調査が行われたとしても、税理士が対応することで、安心して調査を乗り切れるでしょう。税理士は税務調査の対応にも慣れており、適切な対応をすることで、問題を最小限に抑えられるためです。

5.信頼性の向上

確定申告書に税理士の署名がある場合、税務署からの信頼度が上がります。申告そのものの信頼性が向上し、将来的な税務トラブルを避けることが可能です。また、金融機関や取引先からの信頼も高まり、ビジネスの信用力が向上します。例えば、融資を受ける際や新しい取引先との契約を結ぶ際に、税理士の署名がある申告書は大きな信頼材料となるでしょう。

税理士に確定申告を依頼するときの注意点

税理士に確定申告を依頼する場合には、いくつかの点に留意しなくてはなりません。ここでは、税理士に確定申告を依頼するときの注意点を5つご紹介します。

契約内容と報酬体系の確認

税理士に確定申告を依頼する場合には、税理士との契約内容や報酬体系が明確になっているかを確認しましょう。契約書には、具体的な業務内容や報酬の支払い方法、追加料金が発生する場合の条件などが記載されていることが重要です。

適切な助言をしてくれるか

税理士が適切な助言をしてくれるかどうかも重要です。税務に関する専門知識を持ち、依頼者の状況に応じたアドバイスを提供してくれる税理士を選びましょう。

自分のタイミングで申告できない場合も

税理士に依頼すると、自分のタイミングで確定申告を行えない場合があります。税理士のスケジュールに合わせる必要があるため、早めに依頼することが大切です。

費用がかかる

税理士に依頼することで費用が発生します。依頼する内容によって費用は異なりますが、費用対効果を考慮して依頼するかどうかを決めるとよいでしょう。

信頼できる税理士を選ぶ

確定申告を依頼する場合には、信頼できる税理士を選ぶことが重要です。口コミや紹介、税理士会のWebサイトなどを活用して、信頼性の高い税理士を見つけることが大切だといえます。

税理士に確定申告の依頼を検討すべきタイミング

個人事業主の場合、どのようなタイミングで税理士に確定申告を依頼するべきかがわからないケースも多いでしょう。ここでは、税理士に確定申告の依頼を検討すべきタイミングをご紹介します。

年間売上が1,000万円を超えた場合

年間売上が1,000万円を超えると、税務処理が非常に複雑になります。この規模になると、売上や経費の管理、消費税の計算など、多くの手続きが必要となり、専門家の助けが必要になることが多いです。税理士に依頼することで、これらの手続きを正確かつ効率的に行えるため、時間と労力を大幅に節約できます。また、税理士は最新の税法に基づいたアドバイスを提供してくれるため、法令遵守の面でも安心です。

課税所得が500万円を超えた場合

課税所得が500万円を超えると、節税対策や正確な申告が一層重要になります。所得が増えると、適用される税率も高くなるため、適切な節税対策を講じることで、税負担を軽減することが可能です。税理士は、控除や免税措置を最大限に活用する方法を提案してくれるため、節税効果を最大化できます。また、正確な申告を行うことで、税務署からの監視を避けられ、安心して事業を続けられるでしょう。

法人化を検討している場合

個人事業主から法人化を検討している場合、税理士のアドバイスが非常に役立ちます。法人化には多くの手続きが伴い、税務面でも大きな変化があるためです。税理士は、法人化のメリットとデメリットを詳しく説明し、最適なタイミングや手続きをアドバイスしてくれます。また、法人化後の税務処理や節税対策についてもサポートしてくれるため、スムーズに法人化を進めやすくなるでしょう。

なお、確定申告の繁忙期である2月から3月を避け、6月から10月頃に依頼するのが理想的だといえます。この時期は税理士も比較的余裕があり、しっかりと対応してもらえる可能性が高いためです。

税理士に確定申告を依頼するときの費用相場

税理士に確定申告を依頼する場合、どの程度の費用がかかるのかは気になるところでしょう。ここでは、税理士に確定申告を依頼するときの費用相場を、法人と個人事業主の場合にわけてご紹介します。

法人の場合

法人が税理士に確定申告を依頼する場合、費用は売上規模や依頼内容によって異なります。費用の相場は、以下のとおりです。

売上規模記帳代行なし記帳代行あり
年商1,000万円未満10万円~10.5万円〜
年商1,000万円〜3,000万円未満12万円〜12.5万円〜
年商3,000万円〜5,000万円未満15万円〜15.5万円〜
年商5,000万円〜1億円未満15万円〜15.5万円
年商1億円~5億円以上20万円~20.5万円~
年商5億円~10億円未満25万円25.5万円~
年商10億円以上応相談

個人事業主の場合

個人事業主が税理士に確定申告を依頼する場合も、売上規模や依頼内容によって費用が変わります。一般的な費用相場は、以下のとおりです。

売上規模記帳代行なし記帳代行あり
年商500万円未満7万円〜7.5万円〜
年商500万円〜1,000万円未満10万円〜10.5万円〜
1,000万円〜3,000万円未満15万円〜15.5万円〜
3,000万円以上応相談

ただし、これらの費用はあくまで相場であり、実際の費用は税理士事務所や依頼内容によって異なることがあるため、事前に確認しておきましょう。また、顧問契約を結ぶ場合は、月額顧問料が別途発生することもあるため注意が必要です。

税理士報酬の詳細については、以下の記事も併せてご確認ください。

税理士報酬の相場はいくら?

まとめ

税理士に確定申告を依頼することで、時間の節約や正確な申告が可能になり、節税対策や税務調査のリスク軽減など多くのメリットがあります。特に個人事業主や法人では、売上や所得が増えると税務処理が複雑化し、税理士のサポートが有効です。費用は売上規模や依頼内容により異なりますが、個人事業主では7万円~、法人では10万円~が一般的な相場です。信頼できる税理士を選び、早めの依頼が重要だといえます。

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この記事の著者

ラチーコ

大手会計ソフトメーカーの記事執筆、原稿ディレクション業務を担当しています。

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