マネーフォワードクラウドは、その名の通りクラウド型の会計ソフトです。最近はTV-CMなどでもよく見かけることもあるように、利用者が増加傾向にあります。
クラウド型の会計ソフトは導入ハードルが低い点や、デバイスを選ばないことからリモートワークにも適しており、これが人気の秘訣といえるでしょう。今回はマネーフォワードクラウドの機能やメリット・デメリットなどについて解説します。
目次
マネーフォワードクラウドは、会計機能だけでなく、給与や請求書発行、勤怠・経費管理といったさまざまなサービスも利用できるクラウド型の会計ソフトです。
クラウド型のためブラウザ経由で利用でき、パソコンへのインストールが必要ありません。また、データはクラウドに蓄積されるため、パソコンが壊れてもデータは無事なので安心です。
銀行やクレジットカード、電子マネー、POSレジをはじめ、さまざまなサービスと連携させることで、入力や仕訳作業を自動化できるため業務効率化につながるでしょう。さらに、マネーフォワードクラウドはAIを搭載しているため、日々の業務内容を覚えて、仕訳や入力作業がどんどん効率化される点が大きな特徴です。
なお、会計ソフトについては、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。
事業に必須のツール会計ソフトとは?メリット・デメリットやサービス事例を紹介
マネーフォワードクラウドは、個人向け、小規模・中小企業向け、IPO準備・中堅上場企業向けプランの大きく3種類が提供されています。さらにこの中から、事業規模や業務フローなどに合わせて最適なサービスが利用できる点が特徴です。
本章では、それぞれのプランの概要や機能を解説します。
個人向けプランは、個人事業主や副業をしているサラリーマンで確定申告が必要な方向けのプランです。3つのコースに分かれており、それぞれ年額、月額プランから選べます。
ただし、オプション機能を利用する際には、別途従量課金が発生します。
各プランの利用料金と利用できるおもな機能は、以下の通りです。
パーソナルミニ(副業などで確定申告をする方) | パーソナル(自営業、個人事業主で確定申告をする方) | パーソナルプラス(確定申告の操作が不安で各種サポートが必要な方) | |
利用料金(税抜) | ・年額プラン:800円/月(年額:9,600 円)・月額プラン:980円/月 | ・年額プラン:980円/月(年額:11,760 円)・月額プラン:1,280円/月 ※1ヶ月無料 | ・年額プラン:2,980円/月(年額: 35,760 円)・月額プランはなし |
確定申告書の作成 | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 |
銀行・クレジット明細の自動取込 | 利用可能能 | 利用可能 | 利用可能 |
消費税集計機能 | 利用不可 | 利用可能 | 利用可能 |
レポート機能 | キャッシュフローレポートのみ利用可能能 | 利用可能 | 利用可能 |
口座残高照会および帳簿残高との突合 | 利用不可 | 利用可能 | 利用可能 |
見積・納品・領収・請求書作成 | 利用可能能 | 利用可能 | 利用可能 |
毎月自動作成 | 利用不可 | 利用可能 | 利用可能 |
回収消込表 | 利用不可 | 利用可能 | 利用可能 |
請求書の郵送 | 1通あたり190円 | 1通あたり170円 | 1通あたり170円 |
郵送、メール送信等の一括操作 | 利用不可 | 利用可能 | 利用可能 |
取引先の登録数 | 上限15件 | 上限なし | 上限なし |
オプション | 経費、勤怠、給与、年末調整、社会保険、マイナンバー、電子契約 | 経費、勤怠、給与、年末調整、社会保険、マイナンバー、電子契約 | 経費、勤怠、給与、年末調整、社会保険、マイナンバー、電子契約 |
小規模・中小企業向けプランは、50名以下の企業向けのプランです。同社の各種クラウドサービスを利用できるプランが3つあり、プランによって利用できるものが異なります。
各プランの利用料金と利用できるおもな機能は、以下の通りです。(ただし、IPO準備・中堅〜上場企業向けについては、個社ごとに見積りする必要があるため今回は除外)
プラン名 | スモールビジネス (部門管理が不要、請求業務の少ない小規模事業者向け) | ビジネス (バックオフィス業務を効率化したい中小企業向け) | |
利用料金(税抜) | ・年額プラン:2,980円/月、35,760円/年 ・月額プラン:3,980円/月 | ・年額プラン:4,980円/月、59,760円/年 ・月額プラン:5,980円/月 | |
クラウド会計 | 決算書の作成 | 利用可能 | 利用可能 |
部門登録 | 2部門まで | 無制限 | |
部門階層の作成 | 1階層まで | 2階層まで | |
振込FBデータの作成 | 利用不可 | 利用可能 | |
帳簿残高と口座残高の突合 | 利用不可 | 利用可能 | |
電帳法 電子取引、書類保存、帳簿保存に対応 | 利用可能 | 利用可能 | |
電帳法帳簿保存に対応 | 利用不可 | 利用可能 | |
クラウド請求書 | 見積・納品・領収・請求書作成 | 利用可能 | 利用可能 |
請求書の郵送 | 180円/1通 | 170円/1通 | |
一括郵送・メール送信 | 利用不可 | 利用可能 | |
クラウド経費 | 経費精算 | 利用可能 | 利用可能 |
出張申請・購買申請など、各種ワークフロー | 利用可能 | 利用可能 | |
クラウド債務支払 | 請求書の支払管理 | 利用可能 | 利用可能 |
購買申請など各種ワークフロー | 利用可能 | 利用可能 | |
クラウド勤怠 | 勤怠管理 | 利用可能 | 利用可能 |
シフト・休暇管理 | 利用可能 | 利用可能 | |
クラウド給与 | 給与・賞与計算 | 利用可能 | 利用可能 |
Web給与明細 | 利用可能 | 利用可能 | |
クラウド年末調整 | Web上での書類配布〜回収 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 |
年税額の自動計算 | 利用可能 | 利用可能 | |
電子申告(e-Tax・eLTAX) | 利用可能 | 利用可能 | |
クラウド社会保険 | 社会保険手続きに関わる書類作成 | 利用可能 | 利用可能 |
作成書類の電子申請 | 利用可能 | 利用可能 | |
クラウドマイナンバー | マイナンバーの収集・管理 | 利用可能 | 利用可能 |
アクセス権の制限 | 利用可能 | 利用可能 | |
クラウド契約 | 電子契約 | 利用可能 |
IPO準備・中堅上場企業向けプランはマネーフォワード クラウドERPと呼ばれる、経理、人事労務に有用な各種サービスの利用が可能なプランのことです。自社サービスに加え、kintone、SmartHR、salesforceといった各種SaaSサービスとの連携できます。そのため、
企業の規模やステージに応じて最適なプランを見積り、構築できる点が特徴です。
マネーフォワードクラウドは、クラウドならではの強みを活かし、さまざまな働き方に適応できる点が大きな特徴です。ここからは、マネーフォワードクラウドのメリットについて解説します。
マネーフォワードクラウドはクラウド型の会計ソフトなので、インターネット環境さえあれば、デバイスや場所を選ばずに使える点がメリットです。Mac、Windowsはもちろん、スマートフォンはiOS、Androidともに利用できます。
インストール型会計ソフトのように「特定のデバイスでなければ使えない……」ということがないため、リモートワークにも最適でしょう。また、外出先や移動中でもちょっとした作業が可能なので、非常に利便性が高いです。
マネーフォワードクラウドを利用すると、税理士や社労士をしてもらえる点も大きなメリットだといえます。通常のサポートはソフトの使い方などに終始するケースが多いですが、同社のサポートでは経営や資金繰りの相談もできるため、法人成りしたばかりの企業やスタートアップなどは大いに活用するべきでしょう。
また、紹介される税理士や社労士はマネーフォワードクラウドを利用しているので、業務を依頼しやすい点もメリットです。
マネーフォワードクラウドを導入することによって、日々の入力や仕訳作業を自動化できるため、スタッフの負荷を大幅に軽減できるでしょう。各種レポートや書類、帳票なども自動作成できるため、定例会議向けのデータを準備する場合なども工数を大幅に抑制できます。
さらに、業務効率化によって空いたスタッフの工数をコア業務に割り振ることで、生産性の向上につなげることが可能です。また、経営のデータが見える化されるため、経営判断に必要な情報が得やすく、次の一手が打ちやすくなる点も大きなメリットだといえるでしょう。
マネーフォワードクラウドは、金融機関のシステムを構築した担当者が堅牢なセキュリティ体制を実現しています。プライバシーマークも取得済みで、個人情報保護の第三者認証も万全です。
顧客の機密情報はすべて暗号化し、クレジットカード番号を使わずに連携が可能なので「クラウド型の会計ソフトはセキュリティ面が不安……」という方でも、安心して利用できるでしょう。
多くのメリットがあるマネーフォワードクラウドですが、デメリットもあります。おもなデメリットを紹介するので、契約する前に確認しておきましょう。
マネーフォワードクラウドはブラウザ経由で利用する性質上、インターネット環境が必須です。そのため、インストール型の会計ソフトとは異なり、インターネット環境がない場所では使えません。
また、会社や自宅などでインターネット回線のトラブルが発生すると、マネーフォワードクラウドが利用できなくなるリスクがある点についても注意が必要です。
マネーフォワードクラウドは買い切りタイプの会計ソフトではないため、毎月のランニング費用が発生します。基本使用料に加え、従量制やオプションの課金が毎月発生するので、1アカウントあたり年間数万円のコストが必要です。
導入後の費用対効果も考慮し、慎重に導入の可否を検討しましょう。
マネーフォワードクラウドは、クラウドの強みを活かしつつ、使いやすさと便利な機能、手厚いサポートが特徴の会計ソフトです。そのため、スモールビジネスから大企業まで広くカバーできる点が大きな特徴といえるでしょう。導入ハードルも低いので、これから会計ソフトを導入して業務効率化したい企業や個人事業主におすすめです。
また、すでにマネーフォワードを使っている税理士、会計事務所に依頼することで、導入、運用の最適化が期待できます。、税理士への業務依頼や顧問契約を検討している方は、ぜひ税理士紹介ドットコムをご活用ください。