建設業や林業、運送業を営む個人事業主の方は、一人親方という業務形態で事業を行っているケースが多いです。一人親方は読んで字のごとし、1人で対応しなくてはならない業務範囲が多く、業務負荷が高くなりがちな点は懸念されます。
そのため、日々の経理業務や確定申告の業務は、税理士に依頼するのがおすすめです。ここでは、一人親方に強い税理士に依頼するメリットや探すときのポイントなどをご紹介します。
目次
そもそも一人親方とは、どのような業務形態なのでしょうか。ここでは、一人親方の特徴と個人事業主の違いを解説します。
一人親方とは、おもに建設業や林業、運送業などにおいて、自分自身、または家族と事業を行う個人事業主の呼称です。具体的には、以下の特徴を持つ人、一人親方に該当します。
・従業員を雇用しない(年間雇用日数が99日以下) ・請負契約に基づいて仕事を受注する ・自分で作業工具や材料を所有する ・事業責任を負う |
例えば大工や左官、電気工事士、塗装工、トラック運転手、タクシー運転手、農業従事者、漁業従事者などが一人親方の事例として挙げられます。
一人親方も個人事業主の一種です。ただし、業種や従業員の雇用などにおいて違いがあります。また建設業や林業、運送業など、特定の業種に限られる点が特徴です。
一方、個人事業主には業種の制限はありません。また一人親方は、原則として従業員を雇用しませんが、個人事業主は従業員を雇用する点も違いです。
一人親方は、1人でさまざまな業務をこなす必要があるため、経理業務においていくつかの課題が浮上します。ここでは、一人親方が抱える経理業務の課題を確認しておきましょう。
一人親方はすべての業務の責任を一人で担うため、精神的な負荷がかかりやすい点は課題です。経理業務だけでなく、現場作業や他の業務も同時にこなさなければならないため、時間的な制約もあります。そのため、経理業務を税理士などの専門家に依頼する方が多いです。
一人親方は自分自身で経理業務を行うため、正確な帳簿管理が重要です。収入と支出の記録をきちんと整理し、税金申告や経営判断に活用しなくてはなりません。
また、現場で必要なものを買った際の領収書やレシートの管理も必要です。書類の整理や保存に細心の注意を払わなくてはなりません。
税金申告も一人親方にとって重要な課題です、所得税や消費税、住民税など、適切な税金を納めるためには、正確な記録と計算が求められます。
前述した帳簿管理と記録の整理が徹底されていることはもちろん、正しい方法で申告しなくてはならないため、大きな工数が発生するのは課題です。
一人親方は法人ではないため、個人事業主として法令を遵守しなくてはなりません。そのため労働法や税法、商業法などの知識を学ぶことが必要です。
正しいルールを知らないまま業務を行っていた場合、意図せず違法になっている可能性もあります。そのため、定期的に税理士などの専門家に、相談する場を設けるのが得策でしょう。
一人親方に強い税理士に依頼することで、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。以下で、依頼することによって得られるおもなメリットをご紹介です。
一人親方に強い税理士は専門的な知識を持ち、正確な帳簿付けと確定申告のサポートをしてくれる存在です。特に青色申告の損益計算書や貸借対照表は、正確な帳簿をもとに作成しなくてはなりません。誤った帳簿付けは、後のトラブルにつながりかねないため注意が必要です。一人親方に強い税理士に依頼することで、正確な帳簿付けと申告を実現できます。
一人親方に強い税理士を雇うことで、余計な税金を支払う必要がなくなることもメリットです。誤った税額を申告した場合、修正申告にともなう延滞税などが発生します。そのため、税理士の指導で適切な申告を行い、不要な税金の納付を防ぐことが大切です。
一人親方に強い税理士に、経理業務を丸投げできれば、大きな時間の節約につながります。一人親方のような個人事業主は、日常の経理業務が報酬に直結しません。しかし、お金にまつわる業務をすべて税理士に依頼することで、売上向上に専念できる時間をねん出することが可能です。
一人親方に強い税理士は、資金繰りなど経営に関するアドバイスをしてくれることもあります。経営に関して広く相談ができる専門家として、心強い存在といえるでしょう。一人親方の場合、経営や資金繰りなどの相談ができる相手がいないケースも多いため、有事の際に相談できる存在がいるのは安心です。
税理士事務所は非常に多くの種類があるため、一人親方に強い税理士を探すのは、なかなか骨が折れる作業です。ここでは、一人親方に強い税理士を探すポイントをご紹介します。税理士を探すときの参考にしてみてください。
一人親方の税務や会計には独自のニーズがあります。そのため、自社の業種における経験が豊富で、個人事業主に精通した税理士を選ぶことが大切です。
特定の業界に強い税理士は、業界特有のルールや規制に詳しいため、適切なアドバイスを提供でしてもらえる可能性があります。事前にホームページで実績を確認したり、面談時にどのような業種や職種の経験が豊富なのかを確認したりすることが大切です。
一人親方の税理士費用は、売上や記帳代行の有無によって異なります。顧問契約を検討する際、月額顧問料や確定申告料などの料金を明確に確認することが大切です。
税理士と顧問契約した場合の報酬相場は、月額3~5万円程度といわれています。また、決算報酬の相場は年額で10~30万円程度です。依頼内容や事業規模などによって、費用が異なるため、面談時に詳細を確認しておかなくてはなりません。
なお、税理士報酬の詳細は以下の記事でご確認ください。
コミュニケーションスキル
税理士とのコミュニケーションは非常に重要です。一人親方の状況やニーズを正確に理解し、適切なアドバイスを提供できる税理士を選ばなくてはなりません。
電話やメールでの対応がスムーズであるか、相談しやすい雰囲気を持っているかも確認が必要です。また、どの程度の頻度で顔合わせができるかも、事前に確認しておくとよいでしょう。
税理士は法令を遵守し、倫理的な行動を取るべきです。信頼できる税理士は、適切な範囲で法的なアドバイスを提供してくれます。税理士会に所属しているか、適切な資格を持っているかを確認しておくと安心です。
一人親方は経営者としてさまざまな課題に直面します。そのため、税理士が経営アドバイスを提供できるかどうかを確認しておくことも大切です。税務だけでなく、経営戦略や資金調達などの幅広い分野に対応できる税理士が望ましいでしょう。
近年、業務におけるデジタル化が進んでおり、経理業務も同様です。会計ソフトやデジタル帳簿の管理に詳しい税理士を選ぶことで、効率的な業務が期待できます。
また、高いITスキルを持つ税理士は、データのセキュリティやプライバシーにも配慮できる点もメリットです。
地域によって税制や法的な規定が異なります。地域に詳しい税理士を選ぶことで、適切なアドバイスを受けられる可能性が高いです。また、事務所の場所やアクセス性も考慮することが大切なポイントだといえます。
一人親方は対応すべき業務が多く、多忙なため、経理業務を税理士に依頼するのがおすすめです。一人親方に強い税理士に依頼することによって、以下のようなメリットが得られます。
・正確な帳簿付けと申告が可能 ・余計な税金の支払いを防止 ・時間の節約 ・経営アドバイスの提供 |
ぜひ、本記事の内容を参考に、一人親方に強い税理をみつけてもらえれば何よりです。
なお、一人親方に強い税理士を探す際には、税理士紹介ドットコムの活用をおすすめします。手数料なども一切不要で、北は北海道から南は沖縄まで、全国ご希望のエリアで税理士をご紹介することが可能です。ぜひ、お気軽にご相談ください。