不動産投資を行う企業や個人事業主が、税金を正しく支払うためには、税理士に依頼する必要があります。また、事業承継を行う際、不動産の承継が必要になる場合なども同様です。
しかし、不動産関連の税制は非常に複雑なため、不動産に強い税理士に依頼しなければ、正しく手続きを行えない可能性があるでしょう。そこで今回は、不動産に強い税理士を探す3つのポイントをご紹介します。また、不動産に強い税理士に依頼すべき理由やメリットについてもあわせて確認しておきましょう。
目次
不動産関連の税制は非常に複雑であるといった理由もあり、すべての税理士が適切に対応できるわけではないため注意が必要です。ここでは、不動産に強い税理士に依頼すべき理由をご紹介します。
不動産に関する税金はさまざまな種類があります。ルールも非常に複雑なため、不動産関連の税制に詳しい税理士に依頼しなければ、適切に納税できない可能性が高いでしょう。
不動産関連のおもな税金は以下の通りです。
税金が発生するタイミング | 税金の種類 |
不動産を保有しているとき | ・固定資産税 ・都市計画税 所得税(賃貸時) ・ 住民税(賃貸時) |
不動産(新築)を購入するとき | ・所得税 ・住民税 ・登録免許税 ・不動産取得税 ・印紙税 ・固定資産税、都市計画税 ・消費税 |
不動産投資をしたとき | ・不動産取得税 ・印紙税 ・登録免許税 |
不動産を売却したとき | ・所得税 ・住民税 ・印紙税 ・消費税 |
不動産を贈与するとき | ・贈与税 ・登録免許税 ・不動産取得税 |
不動産を相続するとき | ・相続税 ・登録免許税 |
不動産(マンションなど)を運営・管理するとき | ・固定資産税、都市計画税 ・所得税 ・住民税 ・個人事業税 ・消費税 |
また、相続に関する知識が豊富な税理士であることも重要なポイントだといえます。
相続や事業承継に強い税理士については、以下の記事で詳しく解説しているのであわせてご確認ください。
事業承継に強い税理士とは?依頼するべき理由や報酬の相場なども紹介
不動産関連の税制は複雑なため、知識がない場合、支払いを失念するリスクが高くなります。税金の支払いが適切に行われなかった場合には、ペナルティを課されるため注意が必要です。
不動産の金額は非常に大きいため、支払うべき税額も多額になるケースが多いでしょう。そのため、ペナルティが発生した場合には、企業の収益に大きなダメージを与える可能性があります。不動産に強い税理士に依頼し、適切に申告することが大切です。
万が一税金の申告漏れが発生した際、課される税金の種類としては、以下のようなものが挙げられます。
税金の種類 | 概要とペナルティ |
無申告加算税 | 納付期限内に、支払うべき税金を申告しなかった際、課される税金。 本来納めるべき税額に対し、50万円まで15%、50万円を超える部分は20%を加算した税金の支払い義務が発生。 |
重加算税 | 不動産所得があるにも関わらず、その事実を隠蔽したことが発覚した際、課せられる税金。 本来支払うべき税額に35%、もしくは40%加算した税金を支払う義務が発生。 |
延滞税 | 納付期限内に税金を支払えなかった際、発生する税金。 超過日数に応じて、納付期限後2か月は7%、2か月以降は14%/年程度を追加した金額の支払い義務が発生。 |
不動産に強い税理士に依頼することにより、一般的な税理士にはない多くのメリットが得られます。ここでは、不動産に強い税理士に依頼するメリットを確認しておきましょう。
不動産に関する税制は、前述したように非常に種類が多く、手続きも複雑なため、企業側のみで適切に対応することは困難でしょう。しかし、不動産に強い税理士に依頼できれば、税制に関する手続きを一任できるため安心です。申告漏れなどによるペナルティが発生するリスクも抑えられます。
不動産の運営や投資を行う場合、企業側は確定申告時に大枠の数字や状況を確認できます。しかし、毎月のお金の流れを適切に把握するのは、非常に困難というのが現状でしょう。
不動産に強い税理士に依頼することにより、不動産の経営・管理状況を可視化し、お金の流れを把握しやすくなることは大きなメリットです。適切な経営を行うためには、欠かせない存在だといえるでしょう。
不動産関連の税制に精通した税理士に依頼することによって、節税効果が期待できます。不動産には、さまざまな税制に関する特例が存在するため、有効活用できれば大きな節税効果を得ることが可能です。
ただし、申告しなければ適用されません。適切な知識を持つ税理士に依頼することで、制度を最大限利用することが大切です。
なお、節税に強い税理士については、以下記事の内容もあわせてご確認ください。
節税に強い税理士の特徴は5つ!探すときのポイントも紹介(今月入稿する別記事への内部リンクを設置します)
不動産に強い税理士に依頼することが重要なことは理解できても、どのように探したらよいか分からない方は多いでしょう。ここでは、不動産に強い税理士を探すポイントを3つご紹介します。
税理士にはそれぞれ得意とする分野があるため、不動産に関する知識や経験が豊富な税理士を選ぶことが大切です。そのため、不動産を専門として業務を行っている税理士事務所に相談することをおすすめします。
ホームページなどで、不動産に関する案件の対応実績を確認し、面談時には自社が希望する業務に対応できるかどうか確認しておくことが必要です。また、自社が手掛ける事業と同じ業種の企業における顧問実績が多い税理士事務所であれば、さらに安心して依頼しやすいでしょう。
土地や建物は、評価によって金額が大きく異なります。そのため、不動産鑑定士が常駐している税理士事務所に依頼できれば、相続税の圧縮につながる可能性があるなど、多くのメリットが得られるでしょう。
不動産の評価は、さまざまな要因によって時価が変動する点が特徴です。税務署が市況を把握できない場合、時価よりも高い金額で査定される可能性もあるでしょう。しかし、不動産鑑定士に適切な時価を算出してもらうことにより、本来支払う必要のない税金の発生を抑えられます。
不動産は金額が大きく、かつ税制が複雑なため、保有している企業は、税務調査の対象になる可能性が高いです。税務調査が入ると、細かな財務調査が行われるため、不動産や相続の知見を持ち、かつ税務調査の対応経験のある税理士に依頼しなければ、適切に対応することは難しいでしょう。その結果、追加で税金を支払うリスクが高くなります。
不動産に強い税理士であれば、税理士法第33条の2に基づく「書面添付制度」を活用できるため、事務所での税務調査が不要な場合もあります。税務調査を回避できる可能性があることも、不動産に強い税理士に依頼する大きなメリットだといえるでしょう。
税務調査については、以下記事の内容も参考にしてみてください。
不動産に強い税理士に依頼することによって、以下のようなメリットが得られます。
・不動産に関する税制の手続きを任せられる
・不動産に関するお金の流れを可視化できる
・節税効果が期待できる
また、不動産に強い税理士を探す際には、以下3つのポイントを押さえることが重要です・
・不動産関連の実績が豊富である
・事務所に不動産鑑定士が常駐している
・税務調査対策を安心して任せられる
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